①慢性痛について

最近、気温が下がってきて痛みや違和感などの症状が強まってきている方はおられると思います。

いわゆる慢性症状。来られる患者さんの大半がそうです。

「いつからつらさが（痛みが）ありますか？」

という質問に対して、例えば5日前からという答えが返ってきたとしても、もともと潜在的に慢性的な問題がベースにある方がほぼ１００％に近いのではないでしょうか？

接骨院（整骨院）に毎週通っている患者さんも少なくありませんが、慢性症状に対しての保険治療の使用は厳しくなっていますので、昔のように肩こり腰痛に対して整骨院に保険治療を受けにいくのも出来なくなっていくでしょう。私の知り合いの整骨院の先生も、慢性問題に対しては保険治療はキッパリとせず。実費の治療に移行しています。業界全体がそういう流れになっています。

ほとんどの場合、自覚症状が感じられる段階になるまでに大なり小なりいろいろなストレスが心身の中に澱のように重なり合って溜まってきています。そこに最後の一押し（ひと注ぎ）が加わって身体が悲鳴をあげ始めます。中が見えないコップの水が溢れるのと同じです。

いつ溢れるか？どのくらい溢れるか？は人それぞれ。コップの大きさにもよりますし、溢れる前の水の溜まり具合、最後に注がれた水の量などにもよります。

「最初にコップの注がれたストレス」は、生まれる前、胎児の段階で始まっているともいわれています。

子どもの頃の尻もちや怪我などの力学的ストレスや、環境の変化、対人関係、精神的なストレスからの神経や筋肉・筋膜の緊張、化学物質からの内臓へのストレス、不良姿勢や生活習慣からの歪みなどなど。

いろいろありますね。なので、問診の時に、

「なにかされましたか？」「なにか原因は心当たりはありますか？」

とお尋ねした時に、「わからない、特にないです。」という答えはある意味正しいのです。

具体的な答えが返ってきても、それは最後の一押しになっただけとなります。

②治療院の対応は

ではこの慢性痛を取り除いて、楽な体に戻すには？

いろいろな治療院でいろいろな先生がいろいろなテクニックを使って施術をしていくわけです。

骨格の歪みを正していったり、筋・筋膜をリリースしたり、内臓の調整をしたり、頭や神経系にアプローチしたり。エネルギー系の調整をしたり。

いろいろなアプローチがあります。

骨盤矯正コース、上半身、下半身コースと最初からメニューに決まっていたりするのは、個人的には疑問を覚えますが、基本的には上記の手段はどれも有効だと思います。

ただ、現代人の体は様々な環境要因で治りにくくなっています。

 

そのうえで回復に必要なのは、生活の中のマイナス要因をなるべく少なくして

「体の中にある緊張や滞りを解放して動きを作り出し、流れを呼び戻す」

これに尽きると思います。

緊張は物理的なところからの緊張だったり、心理的な作用からのロックによるものであったり。

流れは、血液、リンパだけでなく、神経の流れや細胞のまわりを満たす体液、脳脊髄液、呼吸の流れ、体を流れるエネルギーも含めて全て。

ダイナミックな海の波のように、生命のうねり、バイタリィティが回復していき治癒反応がスタートしていきます。

 

③自分のからだ！

このように、慢性症状を訴える状態に対して治療院の施術家はいろいろなアプローチを施していくわけですが、

一番、本当に本当に一番大事なことは、皆さんの体は皆さんのものだということです。

どんな優れた療法があっても、不摂生や良くない習慣には絶対に勝てません。

普段の臨床でも、しっかりと、自分事（ごと）と捉えておられる方は治っていきやすいと感じます。

逆に、こういう場合は・・・というのは、

１．本当に問題が根深い場合（大きな事故や外傷、病気、環境問題、精神的問題などが背景にあったり）

これに関しては、施術家の力不足で申し訳ありません。

２．施術自体に依存のような状態

施術を受けに来てはくださるけれども、患っている現状から治りたいと深い部分で感じていない。手段が目的になってしまっています。

３．つらい今の状態は嫌だけれど、ほんとの意味での治療を必要と思っていない

とにかく、御託はいいから揉んでくれ！　もっと強ーく押してくれ！

姿勢？気を付けていないね(笑)　わかってるんだけどね~。

４．なんか通うのめんどくさい、お試しの安い回だけ受けてみよう。

最後に

慢性痛を改善したいという方は、お試しでも受けてみて自分に合いそうでしたら、不調の改善と健康維持の為に整体を生活の一部にしてもらえたら幸いです。

「体の状態が良くなっているのに、だらだらと通わす」なんていうのは京都整体からすまおいけではしておりませんので、ご安心ください。