春先のデトックスで、初手▲2六歩。  その2

京都整体の粟野です。

前回は春先のデトックスの話が途中でしたので、その続きを書いていきたいと思います。

冬から春に移り変わる季節の変わり目のこの時期に、お体のケアをしてしっかりと次の季節を迎えるのはとても重要なのです。東洋医学でも、一つの時期に溜め込んだものや不摂生は、次の季節にしわ寄せがくるといいます。冬はもともと自然界、生き物の活動性が落ちる時期ですので代謝が落ちます。そして、冬のあいだに溜った冷えや老廃物、不調をそのままにしておくと、春のアレルギーの症状やダルさ不調に繋がってしまいます。

4月からの新年度、日本では新年の始まりの元旦とはまた違う新しい生活の節目ですね。小中高校の学生の頃は、卒業式が終わった後の登校日に(自分は在校生)自分の机と椅子を持って、次の学年の教室に運んでいる時のなんともいえないあの感覚が好きでした。最高学年だと、最後の日に自分が使ってきた机と椅子はもうそのままに教室を出ていくわけですね。懐かしいです。社会人になって十何年経っても、自分はこの時期のそわそわ感が抜けないのはなんとも不思議です。

話を戻しましょう。新しい年度の始まりには、やはり良いスタートをきって欲しいと思います。社会人になると、3月から4月にかけても特段、生活に変化はないけどね・・・。という方も多いかと思います。でもやはり、施術者目線からは良い健康状態で新年度を迎えてほしいと思います。

冬に溜め込んだ物を持ち越して春を迎えると、アレルギー等の症状に繋がっていきますが、話はそれで終わりではなく、身体のケアをすることなくストレスや疲れによって体の歪みと緊張がたまっていくと、今度は五月病、倦怠感、夏バテ、秋口の不定愁訴などというように、ドミノ倒しのようにその一年が不健康の悪循環に陥ってしまうのです。

まさに後手にまわる感じですね。手を打つならもちろん早いほうがいいのは理解に易いかと思います。はい。そうです。将棋と同じですね。健康の維持も後手にまわって挽回するよも、先手を打って動いた方が有利に運べるのです。お身体の調整を受けていただき、同じラインに持っていくまでにかかる回数が少なくて済むわけです。歪みや不調を放っておけば、身体の補正作用は助けに入ってくれますが時間が経てばこじれます。

この時期に、初手▲2六歩。と打ってほしいのです。(初手▲2六歩は勝率の高い定石とされています。  漫画の主人公が棋士とかピアニストとか大好きです。)

なので、不調に対しては後手に回らずに早めに動いてほしいのです。特に東洋医学や徒手療法は、病気になる前の未病の状態、医学的な検査では「特に異常なしです」と言われる(けれども、自覚のあるなしに関わらず不調には陥っている)状態に対しての診たてと施療を大事にしています。

では、私たちはどうしていくのか。骨格、関節、筋肉などの調整で構造的なバランスをととのえていくのに加えて内臓の調整をしていきます。

体が歪んだままでは、容れ物、通り道にストレスがかかった状態なので血液やリンパの流れ、循環作用が根本から改善されません。老廃物の排泄に体内の循環作用は無くてはならないですから、骨格のバランスを改善し血液とリンパの流れをスムーズにさせ、さらに中の内臓もうまく働ける環境をととのえます。

では、内臓の調整とは? もちろん直接触るわけにはいきませんので体の表面から刺激を入れていきます。優しく、でもしっかりと刺激は届くように。呼吸に合わせてポンプのように圧を加えていったりもします。老廃物が絞りだされ、新鮮な血液が集まっていくように。

デトックス、解毒排毒の面では、肝臓や腎臓、腸や脾臓などへアプローチしていきます。

昔に比べ、様々な添加物や化学物質が溢れている現代は、若い方でも内臓の疲れは少なくありません。さらに、様々な精神的なストレスも同様に機能を低下させます。

今回の内容に関連して、お体の排毒、腸内環境の改善はアトピーや美容などの問題にも効果が期待できます。また、その効果を目的とした施術ではありませんでしたが、過去に診させていただいた方では体臭が消えていくケースも多く経験しています。流れが悪く臭いが出ていた川がさらさと流れる清い川になったわけですね。「千と千尋の神隠し」をちょっと思い出しました。

オステオパシーを中心とした、「からすまおいけ」の施術では、お身体を多角的に診て全体性の中で調和を取っていきながら調整していきます。そうすると、みなさんの内側にある健全な方に身体を向かわせる素晴らしい力が生き生きと働いていきます。

年齢は関係ありません。どんな方にもこの素晴らしい力は備わっています。

新芽が芽吹く春という良い季節に、健康な体作りのケアを始めてみてはいかがでしょうか?