股関節についての解剖学

股関節について興味のある方はご覧ください。

股関節が痛いのは大腰筋が原因!!知っておきたい3つの対策法をご覧いただきありがとうございました。

股関節について少し詳しくご説明します。

股関節の可動範囲と付着する筋肉

股関節 屈曲 伸展

屈曲 腸腰筋(腸骨筋、大腰筋)、大腿直筋、縫工筋、中殿筋(前方筋束)、大内転筋、長内転筋、短内転筋、恥骨筋、

伸展 大殿筋(上方筋束)、ハムストリング(半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋)、中殿筋(後方筋束)

 

屈曲 0°~90°

膝を曲げた場合は125°まで

伸展 0°~15°

 

股関節 外転 内転

外転 大殿筋(上方筋束)、中殿筋、小殿筋、大腿筋膜張筋、縫工筋、

内転 内転筋群(大内転筋、長内転筋、短内転筋、恥骨筋、薄筋)、大殿筋(下方筋束)、大腿二頭筋、

 

 

外転 0°~45°

内転 0°~20°

 

股関節 外旋 内旋

外旋 外旋六筋(外・内閉鎖筋、上・下双子筋、梨状筋、大腿方形筋)、大殿筋(上方筋束)、縫工筋、大腿筋膜張筋、中殿筋(後方筋束)、大腰筋(僅かに外旋)、腸骨筋、

内旋 小殿筋、大腿筋膜張筋、中殿筋(前方筋束)僅かに内旋、大内転筋、恥骨筋、

 

 

内・外旋0°~45°

 

 

 

股関節の靭帯と骨

股関節は骨盤の寛骨臼に大腿骨の骨頭がはまっいて、安定させるために骨盤と大腿部を結ぶように靭帯が付着しています。

股関節は球関節と呼ばれる関節の種類に分類され、とても可動域の大きな関節です。

お椀にボールがはまった状態をイメージしてもらったらわかりやすいと思います。

 

股関節の靭帯は、腸骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯、大腿骨頭靭帯、寛骨臼横靭帯、輪帯で形成されています。

その役割は…..。

腸骨大腿靭帯

腸骨大腿靭帯はY字靭帯とも呼ばれていて、腸骨と大腿骨を結んだ靭帯で、かなり強靭な靭帯です。

腸骨大腿靭帯は上部繊維と下部繊維ではその役割が異なり、

上部繊維 股関節の伸展、内旋、外旋の動きを制限します。

下部繊維 股関節の伸展、外転、内転、外旋の動きを制限します。

他にも、前面と上面の関節包の補強を担っています。

坐骨大腿靭帯

坐骨大腿靭帯は坐骨と大腿骨を結んだ靭帯で、後方の関節包を補強しています。

寛骨臼縁の後下部から、螺旋状に走行し、輪帯と大転子に付着します。

股関節の伸展と外転の動きを制限します。

恥骨大腿靭帯

恥骨大腿靭帯は恥骨と大腿骨を結んだ靭帯で、前下面の関節包を補強しています。

寛骨臼縁の恥骨部と恥骨隆起から腸骨大腿靭帯の内側部に混じり付着します。

股関節の伸展、外転、外旋の動きを制限しますが、特に外転の動きを制限しています。

 

この3つの靭帯が主に股関節の動きを制限しています。

 

大腿骨頭靭帯

大腿骨頭靭帯は骨との連結を補強する機能はほとんどありません。

寛骨臼と大腿骨頭を結んだ靭帯でいて関節包内に存在します。

股関節を屈曲・内転すると靭帯は緊張し運動を制限させ、外転すると靭帯は弛緩されます。

大腿骨頭靭帯の中を血管が通り、大腿骨頭に栄養を供給します。

寛骨臼横靭帯

寛骨臼横靭帯は、寛骨臼切痕の上方を覆うように付着していて、関節臼を補う、小さな靭帯です。

輪帯

大腿骨頚部の最も狭い部分を巻き、過度の伸展を抑制し大腿骨が抜けないようにしています。

 

滑膜と滑液

  

 

股関節の靭帯は大腿骨頸を取り巻くように付着していて、その靭帯の下に滑膜という薄い膜でも覆われています。

滑膜は、滑液(潤滑油的な)を作りだし、関節の動きをスムーズにする役割を果たし、軟骨の栄養にもなります。

靭帯の緊張や癒着が起こると滑液も作り出されなくなるので、股関節の可動域が減少することがあります。

 

ご覧頂きありがとうございました。

京都整体からすまおいけ 浅生

 

股関節の痛みについてはこちら➡股関節痛

 

参考図書

Netter ネッター解剖学アトラス 原書第5版

骨格筋系のキネシオロジー